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願行寺(県指定文化財)

2022.10.25

浄土真宗本願寺派の下市御坊で、室町時代の枯山水の庭園が有名。浄土真宗本願寺派至心山願行寺。もとは秋野坊舎といいましたが、応仁2年(1468年)に本願寺第八世蓮如上人が吉野の要地伝道の本拠として開基されたと伝えられています。往時は、本願寺門跡正院家ならびに中本山として、大和・近江・摂津に70以上の末寺を持ち、本善寺「飯貝御坊」とともに、吉野83ヶ寺をまとめ「下市御坊」と称しました。天正6年(1578年)、筒井順慶(つついじゅんけい)によって焼かれ、現在の建物は江戸時代に再建されたものです。

 

 

その本堂は、本格的な浄土真宗寺院の形式をもつ、数少ない建造物です。天正7~11年(1579~1583年)の建築とみられ、その後3回にわたり大修理などが加えられましたが、古風な形式を多く留める本格真宗寺院本堂の数少ない遺構です。また、奈良県文化財名勝に指定されている庭園は、本堂と大書院との中間に位置する218平方メートルの準平庭で、特色は穏健な石組みを主とし、玉石を敷きつめ、平坦地を水面に見立て枯山水的な取り扱いをしている数少ない室町時代末期の築造庭園機構の一つとして知られています。

 

 

他にも、永禄10年(1567年)の寄進銘をもち、永禄の銘としては大和で最も古い梵鐘(ぼんしょう)や、明応6年(1497年)の墨書のある阿弥陀如来画像など、貴重な文化財があります。そのうち本堂、鐘楼(しょうろう)、梵鐘、阿弥陀如来画像は下市町指定文化財となっています。

 

 

場所:奈良県吉野郡下市町下市2952
休日:無休
料金:200円
時間:8時~16時
交通アクセス:近鉄吉野線「下市口」駅下車 徒歩20分/洞川温泉・岩森方面行きバスで「札の辻」下車 徒歩5分